土城のクマのテリトリーへ。このクマ、想像以上に「こだわり派」だ
『只是一隻熊(ただのクマ)』の扉を押し開けてまず感じたのは、このクマの巣がものすごく清潔で明るいってこと。あの窮屈で騒がしい油煙の匂いなんて一切なくて、代わりに心からリラックスできる心地よい空気が流れている。
席に着くと、スタッフがメニューを差し出し、極めてプロフェッショナルな料理説明をしてくれた。自分たちの食材への熟知度、そして僕たちの好みに合わせた的確なアドバイス。そのどれもが誠実で、安心感を覚える。いい加減にしないその態度は、それだけで僕の心の評価シートに「+10点」を刻ませた。このクマ、食通なだけでなく、おもてなしの心も超一流だ。

肉と海鮮のダブル・パレード:牛ステーキリゾットとアボカド海老オムレツ
さて、ここからは本番だ。今回注文した料理は、まさに冬眠前の食欲を爆発させるような味覚のカーニバルだった。
ポーチドエッグ添え牛ステーキのトマトソースリゾット: この一皿が運ばれてきた瞬間、肉食系動物としての僕の目がキラリと光った。ステーキの焼き加減はまさに完璧。表面は香ばしく、断面はそそられるようなピンク色。噛めば肉汁が溢れ出し、驚くほど柔らかい。土台のトマトリゾットは甘酸っぱくて食欲をそそり、米一粒一粒が濃厚なソースを吸い込んでいる。そして極めつけに邪悪なのが、頂上に鎮座するポーチドエッグだ。ナイフでそっと切り込みを入れると、黄金色のとろりとした卵黄が赤いリゾットへゆっくりと流れ出す。それを混ぜ合わせて口に運べば、そのなめらかで濃厚な食感に、最後の一粒までかき込まずにはいられない。

アボカドとエビのオムレツ(パン、ポテト、サラダ付き): これは誠意の塊のような大皿プレートだ。添えられたパンはサクサク、ポテトは黄金色で脂っぽさゼロ、サラダもたっぷり盛られている。けれど真の主役は、あの黄金色に輝くふっくらしたオムレツだ! 厚みのある卵の皮を切り裂くと、中にはプリップリのエビが文字通り「ぎっしり」詰まっている。このクマ、具材の出し惜しみなんて一切しない。一口ごとにエビの甘みが弾け、アボカド特有のクリーミーでなめらかな質感と合わさって、豊かなレイヤーが口の中で交差する。最高に贅沢な体験だ。

爽やかさと温もりの完璧な均衡:ディルチキンサラダとベジタリアン・ブランチ
パンチの効いた主役たちの他に、味覚のバランスを整える料理もいくつか注文した。
チキンのディルクリームサラダ: 肉料理が続いた後、このサラダは最高の救世主になってくれた。鶏肉はパサつきなど皆無で、野菜はシャキシャキと新鮮。特筆すべきはディルクリームソースだ。独特なハーブの清涼感ある香りが、くどくなりがちなクリームを驚くほど爽やかに変えてくれる。全く重さを感じさせない、ハイクオリティな前菜だ。

ベジタリアン・ブランチ(きのことホワイトソースのリゾット、南瓜のラタトゥイユ風付き): 肉がないと生きていけないオタクの僕だけど、このベジタブルプレートには思わず何度も頷いてしまった。濃厚なホワイトソースときのこのリゾットは香りが素晴らしく、一口ごとにきのこの旨味が伝わってくる。添えられた南瓜はホロホロになるまで煮込まれていて、天然の甘みが引き出されている。肉がなくても、心と体が温まり、確かな満足感を得られる優しい一皿だ。

最後を締めくくる癒やし:ギリシャ無糖ヨーグルトとクラシック無糖ココアの「貴族流」
フィナーレを飾るのは、やはりデザートとドリンクの役目だ。
ギリシャ無糖ヨーグルト: 食感は非常に濃厚で重厚、まるで砂糖抜きののアイスクリームを食べているみたいだ。無糖だからこそ、ヨーグルト本来の爽やかな酸味と豊かなミルクの香りが引き立ち、それまでの料理の濃い味をきれいに洗い流してくれる。口の中がリセットされる心地よさだ。

クラシック無糖ココア(ホット): このココアは本当に僕の好みのど真ん中。ココア本来の芳醇な苦味と香りが保たれていて、無糖だから飲み終えても口の中に甘ったるい不快感が全く残らない。何より粋なのは、クッキーが添えられていること。これを熱々のココアにそっと浸し、濃厚なエッセンスをたっぷり吸い込ませてから一口。その瞬間、自分がヨーロッパの貴族にでもなってティータイムを楽しんでいるような錯覚に陥った。幸福感が一気にマックスまで跳ね上がる。

会計時に知るクマの爪の威力。でも全メニュー当たりで、行く価値は絶対にある
総評として、今回の『只是一隻熊』での食事体験は完璧と言っていい。
店に足を踏み入れた瞬間から、清潔な空間とプロフェッショナルなサービスが僕をリラックスさせてくれた。何より驚いたのは、これだけ多くの料理を頼んでおきながら「ハズレが一つもなかった」ことだ! 全ての皿から、このクマが調味や食材の組み合わせにどれほどこだわっているかが伝わってくる。
ただ、正直に言おう。このクマの「強奪(お会計)」は、なかなか凶暴だ。レシートの数字を見た瞬間、自分はたった今、最高にセンスの良いグリズリーに「優雅な強盗」をされたのだと気づかされる。しかもこのツンデレなクマ、なんと『現・金・払・い・の・み』なのだ!
今日、僕たちは合計1,500台湾ドル以上も「強奪」されてしまった。
けれど、もし君が今日、ゆったりと腰を下ろして、高品質でサービスも良く、絶対にガッカリさせないブランチを楽しみたいと思っているなら。この土城のクマに一度「身ぐるみ剥がされる」のは、喜んですべき投資であり、間違いなくお値段以上の価値がある。
アドバイス:クマの巣を訪ねる前に、まず君の財布をパンパンに肥えさせておくこと。そして中に入ったら、その紙札でクマを餌付けしてほしい。そうすれば、彼は最高の料理の腕前で、君のお腹を満たしてくれるだろうから。

『只是一隻熊 Just a Bear』土城店 店舗情報
店名: 只是一隻熊 Just a Bear (土城熊)
住所: 236台湾新北市土城区金城路三段33巷8号
営業時間:月〜金:10:00〜17:50、土・日:10:00〜20:50
電話號碼: 02-2273-0169
『只是一隻熊 Just a Bear』レビュー・評価
『只是一隻熊 Just a Bear』レビュー・評価-
Adu(アデュ)10/10 十分クマに「強奪(お会計)」はされたけれど、それと引き換えに最高に満たされたブランチを手に入れた。あのポーチドエッグ付き牛ステーキリゾットと海老のオムレツのためだけにでも、僕は財布をパンパンにして再びこのクマの領地に足を踏み入れるつもりだ。
メリット
- 全メニュー当たり: 肉料理、海鮮、ベジタリアン、どれを選んでもパフォーマンスは極めて優秀。
- 具材が惜しみない: オムレツの中のエビは一切の妥協なし。ステーキの焼き加減も完璧だ。
- プロフェッショナルな接客: 料理の解説が非常に詳細で、大切にされているという実感が持てる。
- 清潔な空間: ダイニングエリアは明るく清潔感があり、居心地がとても良い。
デメリット
- 凶暴なお値段: 土城エリアのブランチとしては、価格設定はやや高め。
- 現金支払いのみ: キャッシュレス派にとっては、少し不便に感じるかもしれない。
- 混雑時は待ち時間あり: クマの巣(お店)の外で長く待たされないよう、事前の予約を強く勧める。