ストリートからの謎の贈り物?
ことの起こりはこうだ。ある日、道をぶらついていたら、バリキャリ風の女社長に道を尋ねられた。「一日一善」の精神で熱心に道を教えてあげたのだが、少しして「さっきの説明じゃ不十分だ」と思い、わざわざ追いかけて注意事項を伝えたんだ。すると、彼女はご機嫌になり、私のことを「只者ではない骨格(素質)」を持った熱心な若者だと思ったらしい。そして……会話は極めて奇妙な飛躍を見せ、彼女が販売している「キノコ栽培キット」の話になったかと思えば、「新会社を設立したから、うちで働かないか」と誘われたのだ。社員として?? 一体どれだけ人手不足なんだ。
その時、私の脳内回線はショートしていたのだろう、適当に相槌を打ち、連絡先を交換してしまった。すると翌日、家の前に謎のクリーム色をした、ずっしりと重いビニール袋が置かれていたのだ。半分の私は、都市伝説か新手の詐欺に遭ったのではないかと疑った。もう半分の私は、袋のラベルを見て、これがあの女社長の言っていた「キノコ栽培キット」だと確信した。まあいい、少なくとも爆弾ではないようだ。
聞くところによれば、これは魔法のようなアイテムらしい。土も肥料もいらない。毎日「たまごっち」を世話するように水を吹きかけるだけで、しばらくすれば生きた、しかも食べられるキノコが袋から爆発的に生えてくるという。私はそのビニール袋を見つめた。半分の私は、低予算版『エイリアン』の培養皿みたいでクールだと思った。だがもう半分の私は、薄気味悪さを感じていた。いつか袋から生えてくるのがキノコではなく、うごめく触手だったらどうしよう、と。
半分の葛藤:「めんどくせぇ」から「カップ麺の具だ! ヒャッハー!」へ

最初は拒絶反応が出た。「自分で育てる? 収穫する? しかも調理して食べる?」その一連の動作を想像するだけで心が疲れる。自炊には火を使い、鍋を洗い、さらにダークマター(暗黒料理)を生み出すリスクとも向き合わねばならない。カップ麺で食事を済ませられるなら絶対に火を使わない私にとって、ハードルが高すぎる。
だが、こっそり処分しようとしたその時、説明書の一文が聖なる光のように私の脳天を直撃した。「収穫後は、カップ麺に入れて一緒に煮ても美味しいですよ!」
……カップ麺! 追加トッピング(加菜)!
半分の私、極限のズボラ飯を追求する魂に、一瞬で火がついた。もう半分の私はすでに妄想を始めていた。黄金色のスープから、自らの手で育てた(?)キノコを救い上げる瞬間、それがどれほど高貴で特別な体験になるかを。よし、我がカップ麺大業のために、このキノコ、育ててやろうじゃないか!
もう半分の恐怖:このキノコ、食ったら毒死しないか?
こうして、毎日ビニール袋に水を噴射する儀式が始まった。数日後、袋に開けた小さな穴から、本当に何かが……奇妙な形の何かが生えてきた。
私が唯一知っている「ヒラタケ(秀珍菇)」と「キクラゲ(木耳)」以外に、別の2つの袋から生えてきたものが、その色と名前で私を不安にさせた。一つは炎のような赤色で、「補血珍茸(HP回復キノコ?)」と呼ばれるもの。もう一つは不気味な灰色で、「サファイア茸」と呼ばれるものだ。



半分の私は、その色を見て毒キノコにしか見えないと思った。もう半分の私は、その名前を見て、食べ物というよりゲームのレアドロップ素材だと思った。「補血珍茸」? 食ったらHP回復するのか? 「サファイア茸」? 食ったらMP+10か? 私はそれらを見つめて沈思黙考した。食った後に、見てはいけない宇宙の真理が見えてしまうんじゃないかと恐れながら。その時、私の脳内である計算が弾き出された――そうだ、収穫したらJasperに送りつければいい。遠慮するなよ。
……

片隅からの逆襲:俺のキクラゲがキングスライムに進化した
異世界モンスターのようなキノコを腹に入れるべきか迷っている間に、ゲームに忙しくて数日水やりを忘れてしまった。すると、片隅に放置されていたキクラゲが、驚異的な生命力を見せつけたのだ。
その存在を思い出した時、それはもう当初の慎ましやかなキクラゲではなかった。巨大で、ドス黒く、不気味な波打つ縁取りを持った謎の物体へと変貌し、栽培キットを破裂させんばかりに膨れ上がっていた。半分の私は、少し吐き気を催した。だがもう半分の私は、感嘆を禁じ得なかった。これ、キングスライムだろ! このまま放置したら、分裂して繁殖し始めるんじゃないか?

実験レポート:ヒラタケとサヤエンドウの炒め物、そして残念なカップ麺の結末
結局、見た目が一番まともなヒラタケから手をつけることにした。慎重に収穫し、きれいに洗い、そして……なんと、私は本当にコンロの火をつけたのだ!

冷蔵庫に残っていた数枚のサヤエンドウと一緒に鍋に放り込み、ニンニクのみじん切りを加え、適当に炒めた。出来栄えは……うん、悪くない。一口食べてみると、意外といける? プリプリでジューシー、キノコ特有の清涼な香りがする。
これは間違いなく私の料理の才能が天賦のものであり、天地をも揺るがす神レベルだからであって、キノコ自体の手柄ではないと思う。よし、この栽培キットから生えてきたものは、本当に食べられるようだ。そして私はまだ生きていて、健康で、クトゥルフの幻覚も見えていない。
で、なぜ最終的にカップ麺に入れなかったのかって? ああ、恥ずかしながら告白しよう。気づいてしまったのだ。このキノコたちは、「炒める」か「煮込む」必要があると。しかし私のカップ麺に対する信仰は、「お湯を注ぐ(泡)」ことこそが正統派だというものだ! 煮込んでしまっては、麺の魂が死んでしまう。キノコはお湯を注ぐだけでは火が通らない、だが麺はお湯を注がねば美味くない。この二律背反の矛盾の中で、私のカップ麺アップグレード大業は、失敗を宣言した。

低コストの癒やし(?)兼、生態観察実験
まとめよう。今回のキノコ栽培キット体験は、私にとって驚愕(?)と驚き(?)に満ちた奇妙な旅だった。
高尚な園芸スキルなど不要、ただ水やりを覚えておくだけでいい(たまに忘れても大丈夫っぽい)。半分のそれは、低コストで敷居の低い「生命観察」の楽しみを提供してくれる。もう半分のそれは、時折シュールな色と名前で、君の認識の限界に挑戦してくる。
カップ麺アップグレード計画は失敗に終わったが、キノコが無から有へ、日に日に成長する(あるいはキングスライムになる)姿を見るのは、確かに名状しがたい癒やしがあった。もし君が私と同じように、ほんの少し「自給自足」の楽しみを味わいたいが、死ぬほど面倒くさがりなオタクなら、試してみてもいいかもしれない。少なくとも、「たまごっち」を育てるよりは、ほんの少しだけリアルだ。
キノコ栽培キット 情報
入手元: 道で出会った謎の女社長からの贈呈(市場には類似品がたくさんあるはず)
栽培方法: 袋の口を開け、毎日数回霧吹きで保湿する。直射日光は厳禁。
特徴: メンテナンスが楽、食用可能、種類が猟奇的(?)