私のホラーレーダーが、「白石晃士」という名前に反応した
白石晃士監督のモキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)信者として、あの名作『ノロイ』からというもの、私はこの粗くて、リアルで、まるで隣人がDV(ビデオカメラ)で撮ったかのようなホラースタイルに、説明のつかない熱狂を抱いている。だから『近畿・禁忌』の予告編で、あの馴染み深い、手持ちカメラの安っぽさ(これは褒め言葉だ)を見た瞬間、これは私が納めるべき映画代だと確信した。
加えて、赤楚衛二と菅野美穂という神レベルの組み合わせ、さらに「興行収入ランキング1位」という黄金聖衣(ゴールドクロス)の加護付きだ。私は「3日間は電気を消して寝られない」レベルでビビらされる覚悟を決め、妹を引きずって映画館へと入った。
モキュメンタリー形式の凄いところは、観客とスクリーンの間の安全距離を壊してしまう点だね。無意識のうちに中のキャラクターを「実在の人物」として見てしまう。その没入感が、恐怖効果を倍増させるんだ。
【以下、ほんの少しだけネタバレあり。閲覧注意】
半分のリアル:最も怖いのは幽霊ではない、PVのために幽霊を探す人間だ
まず言っておくが、この映画で最も雰囲気作りが上手かったのは、「インフルエンサーがお化け屋敷に突撃する」というライブ配信の録画パートだ。
半分の私は、画面の中で再生回数(PV)のために正気の沙汰とは思えない自殺行為(作死)を繰り返す若者たちを見て、心の中でこう思った。「これこそ2025年における最もリアルなホラーだ。幽霊が出る前に、人間が先にPVのために自分を殺しに行っている」。カメラの前では平静を装っているが、実は指先が『ストリートファイター』をプレイした直後のように震えているリアルさ。死ぬほど怖いのに、口では「高評価・チャンネル登録・シェアしてね」と叫ばなければならない滑稽さ。そのすべてに、私はゾッとした。
監督は、現代のPV至上主義時代の奇観を、見事に描き出している。「不法侵入」という行為そのものが持つ緊張感だけで、すでに伝統的なホラー映画の幽霊を超えている。あなたが恐れるのは、画面から何かが飛び出してくることではない。このキャラクターたちが次に、PVのためにどんな取り返しのつかない愚行を犯すかということだ。


「高評価とチャンネル登録、シェアもよろしく、ベルマークの通知もオンにしてね」。なんだか笑えてくるな。
もう半分の困惑:効果は著しいが、持続時間の短い呪い
だが、映画のメインストーリー、つまり編集者とライターが真相を追う過程が展開されるにつれ、私の脳内プロセッサーは「メモリ不足」の警告を出し始めた。
もう半分の私は、強力なデバフ(弱体化魔法)を食らったような気分だった。その場では目眩や混乱があるが、映画が終わると効果は急速に消退する。物語の謎、キャラの動機、あの驚愕の真相、どれも私の心に深くインストールされなかった。ストーリーを思い出そうとすると、脳内回路が混線して(跑錯棚)、同時期に観た別の映画『飯沼家への謝罪』のシーンが混ざってしまうほどだ。これは、私にとっての「独自性」と「記憶に残るポイント」が強くなかったことを意味する。
あの結末に関しては、クソエンディング(爛尾)ではないが、鮮やかな昇龍拳を決めてくれたわけでもない。長いコンボを決めた後に、最後だけ軽く小突かれて、画面が暗転したような感じだ。映画館を出た時、呪われた感覚はなく、むしろ「え? クエスト終了?」という空虚感があった。

火力は十分、君の味覚には合うかもしれない
まとめよう。『近畿・禁忌』は火力の十分なホラー鉄板焼きだ。監督のモキュメンタリー技術は、シェフが目の前で炎とヘラを操るようなもので、視覚効果は満点、雰囲気作りも一流だ。
だが、私が白石晃士信者であるがゆえに、入場前に期待値を上げすぎてしまったのかもしれない。認めよう、半分の私は、真相を追う過程で脳内CPUが少しオーバーヒートし、気が散ってしまった。その結果、この映画は夜中に悪夢を見させたり、私のメモリに常駐したりするような悪霊にはなり得なかった。
配給会社は撮影中に怪奇現象が多発したと宣伝し、世界各国へ「伝染」することを望んでいるそうだが、半分の私はそれが本当であることを願いつつ、もう半分の私はこう思っている。台湾映画『呪(Incantation)』の方が「伝染」というマーケティングにおいては一枚上手だったな、と。恐怖の雰囲気を、劇中から現実世界へと拡張していたからだ。
これは決して悪い映画ではない。むしろ水準以上の佳作と言える。ただ……私の期待していた「神映画(神片)」にはならなかっただけだ。だがそうは言っても、あのインフルエンサーのパートだけで、このPV至上主義時代から来るリアルな寒気を感じにいく価値はある。

ネットでは好評も多いみたいだね。映画って主観的なものだから、みんなが激推ししてても良さが分からないことってあるよ。
『近畿・禁忌』映画情報
ジャンル: ホラー、モキュメンタリー
監督: 白石晃士
キャスト: 菅野美穂、赤楚衛二
レイティング: 15歳以上推奨(PG15相当)
公開日: 2025年8月22日
上映時間: 1時間43分